パソコン作業が続いた夕方、肩や首がガチガチに張ってきたと思ったら、後頭部から締め付けられるような頭痛が――。「肩こりがひどいと頭まで痛くなる」という感覚は、気のせいではありません。首や肩のこりと頭痛には、はっきりとしたつながりがあります。

この記事では、草津市の望鍼灸院が、肩こり・首こりから起こる「緊張型頭痛」と、脈打つように痛む「片頭痛」の違いと見分け方、今日からできるセルフケア、そして鍼灸でのアプローチをわかりやすく整理します。あわせて、自己判断せず医療機関へ行くべき危険な頭痛のサインもお伝えします。

肩こり・首こりと頭痛はつながっている

肩や首のこりに伴って起こる頭痛の代表が「緊張型頭痛」です。頭痛のなかで最も多いタイプとされ、日本頭痛学会の調査では有病率はおよそ22%(疑い例を含む)と報告されています。おおよそ5人に1人が経験している、とても身近な頭痛です。

緊張型頭痛は、後頭部から首すじにかけて、締め付けられる・重くのしかかるような鈍い痛みが特徴です。頭の両側に出やすく、ズキンズキンと脈打つ痛みは少なめで、寝込んでしまうほど激しくなることはあまりありません。

関係が深いのが「首こり」です。長時間うつむいてスマホやパソコンを見続けると、首本来のゆるやかなカーブが失われるストレートネックになりやすく、頭の重み(成人でおよそ4〜6kg)を首や肩の筋肉だけで支える状態になります。すると首・肩の筋肉が過剰に緊張し、血流が滞り、その張りが頭を包む筋肉にまで及んで頭痛につながっていきます。眼精疲労や精神的なストレスも、頭・首まわりの筋肉をこわばらせる要因になります。

ポイント
肩こり頭痛の“もと”は首にあります。スマホやパソコンでのうつむき姿勢が続くとストレートネックになり、重い頭を支える首・肩の緊張が頭痛を招きます。まずは姿勢と首まわりのケアが第一歩です。

緊張型頭痛と片頭痛はどう違う?

頭痛のセルフケアで大切なのは、まず「タイプを見分けること」です。肩こりに伴う緊張型頭痛と、片頭痛とでは、つらさの質も、避けたい行動も違うからです。代表的な違いを表にまとめました。

項目 緊張型頭痛 片頭痛
痛みの質 締め付ける・重い鈍い痛み ズキンズキンと脈打つ痛み
痛む場所 後頭部〜首すじ、頭の両側 こめかみ〜片側が多い(両側のことも)
強さ 軽〜中くらい。動ける 中〜強い。寝込むことも
体を動かすと むしろ軽くなることがある 階段や動作で悪化しやすい
伴う症状 肩・首のこり、目の疲れ 吐き気、光・音・においに敏感
主な誘因 同じ姿勢、ストレス、疲労、冷え ストレス、睡眠の乱れ、天候、月経、におい

ややこしいのは、この2つはきっぱり分けられないことも多いという点です。片頭痛が起こる前ぶれとして首や肩のこりが強まる方は珍しくなく、緊張型頭痛と片頭痛が入れ替わり起こったり、両方が重なって出たりすることもあります。「肩こりからくる頭痛」と思っていたら片頭痛が隠れていた、というケースもあります。

ポイント
見分けの目安は「痛み方」。締め付けられる鈍い痛みなら緊張型、ズキンズキンと脈打ち動くと悪化する痛みなら片頭痛の可能性があります。両方が混ざることもあるので、迷ったら医療機関で相談を。

あなたはどっち? かんたんセルフチェック

下のうち、当てはまるものが多いほうが、いまのあなたの頭痛のタイプに近いと考えられます。あくまで目安であり、診断ではありません。

緊張型頭痛タイプ

  • 肩や首のこりと一緒に痛くなる
  • 頭全体が重い・締め付けられる
  • 夕方や仕事終わりに強くなりやすい
  • お風呂で温まると少し楽になる
  • 吐き気はほとんどない

片頭痛タイプ

  • ズキンズキンと脈打つように痛む
  • 頭を動かすと痛みが響く
  • 光・音・においがつらく感じる
  • 吐き気を伴うことがある
  • 痛むと暗い静かな場所で休みたくなる

いつ・どのくらい・どんな痛みが出たかを「頭痛ダイアリー」として数日メモしておくと、タイプの見分けや、医療機関での相談にとても役立ちます。

こんな頭痛は自己判断せず医療機関へ

ほとんどの頭痛は命に関わるものではありませんが、なかには脳などの病気が隠れている「危険な頭痛」もあります。次のような頭痛は、肩こりのせいと決めつけず、できるだけ早く脳神経内科・脳神経外科などを受診してください。

すぐに受診・救急を検討したいサイン

  • これまで経験したことのない、突然の激しい頭痛(バットで殴られたような痛み)
  • だんだん強くなる、または回数が増えていく頭痛
  • 発熱・嘔吐を繰り返す、首が硬くて曲げにくい
  • 手足のしびれ・脱力、ろれつが回らない、ものが二重に見える
  • 意識がもうろうとする、けいれんを伴う
  • 50歳を過ぎてから初めて出てきた頭痛

また、市販の鎮痛薬を月に10日以上飲む状態が続いている場合や、痛み止めが効きにくくなってきた場合も、一度医療機関でご相談ください。片頭痛は適切な治療で予防・軽減が期待できる一方、鎮痛薬だけで長くやり過ごすと慢性化しやすいことが知られています。

今日からできる 首・肩と頭痛のセルフケア

危険なサインがなく、肩こり・首こりに伴う緊張型頭痛が中心の方は、日々のちょっとした習慣で予防しやすくなります。無理のない範囲で試してみてください。

1. 30〜60分に一度、首と肩をリセット

デスクワークが続くときは、こまめに立ち上がって肩を大きく回し、首をゆっくり左右・上下に動かします。「同じ姿勢を長く続けない」ことが、いちばんのこり予防です。

2. 画面の高さと目の休憩

モニターは目線がやや下がる高さに、スマホは顔の高さに近づけて、うつむき姿勢を減らします。20分に一度は画面から目を離し、遠くを見て目のまわりをゆるめましょう。

3. 首の後ろ〜肩を「温める」

緊張型頭痛には温めが向いています。蒸しタオルや入浴で首すじ・肩を温めると血流が促され、こわばりがゆるみます。ただしズキンと脈打つ片頭痛のときは、温めると悪化することがあるため、その場合は冷やして暗い静かな場所で休むのが基本です。

ポイント
温めていいのは緊張型頭痛だけ。ズキズキと脈打つ片頭痛のときに温めると、かえって悪化することがあります。片頭痛が疑われるときは、冷やして暗く静かな場所で休みましょう。

4. 頭痛・首こりにおすすめのツボを押す

手軽にできるツボ押しもおすすめです。代表的なのが、後頭部の髪の生え際で、首の太い筋肉の両外側にあるくぼみ「風池(ふうち)」。頭痛・首こり・目の疲れによく用いられるツボで、両手で頭を支えるように親指を当て、気持ちいいと感じる強さで5秒ほど押してゆるめます。肩のこりには、首の付け根と肩先の中間で肩の一番高いあたりにある「肩井(けんせい)」も。いずれも強く押しすぎず、脈打つ頭痛のとき・痛みが強いときは無理に刺激しないでください。なお妊娠中の方は、肩井への強い刺激は控えましょう。

5. 睡眠と水分、そしてストレスケア

睡眠不足・寝すぎ・脱水・強いストレスは、どちらのタイプの頭痛も招きやすくします。就寝前のスマホを控え、生活リズムを整えることが土台になります。

鍼灸では頭痛にどうアプローチする?

セルフケアだけではぶり返してしまう、根本の首・肩のこりをどうにかしたい――そんなときに選択肢のひとつになるのが鍼灸です。

望鍼灸院では、頭痛そのものを追いかけるのではなく、その背景にある首・肩の深部の筋緊張、血流の滞り、自律神経の乱れに目を向けます。こり固まった筋肉に鍼でアプローチして緊張をゆるめ、めぐりを整えることで、頭痛が起きにくい状態づくりをお手伝いします。姿勢のクセや生活習慣も一緒に確認し、その方に合わせたセルフケアもお伝えします。

なお、鍼灸はすべての頭痛を治すものではありません。前述の危険なサインがある場合や、片頭痛の治療が必要な場合は、医療機関の受診を優先してください。当院はあくまで、慢性的な肩こり・首こりからくるつらさを和らげ、体全体を整えることを目的としています。

まとめ

肩こり・首こりと頭痛は、確かにつながっています。まずは自分の頭痛が「締め付ける緊張型」なのか「脈打つ片頭痛」なのかを見分けること、そして危険なサインを見逃さないことが大切です。そのうえで、姿勢・温め・休息といった日々のケアに、必要に応じて鍼灸を取り入れてみてください。

「マッサージしてもすぐ戻る」「頭痛薬が手放せない」――そんな慢性的な肩こり・頭痛でお困りの方は、草津市の望鍼灸院にお気軽にご相談ください。

監修:望鍼灸院 院長 野田(国家資格:はり師・きゅう師)
※フルネームで表記する場合はお名前を追記してください。